不妊症の診断と漢方治療

東洋医学は、悲しいかな最後にすがるワラやクモの糸としての評価しかないのが実情のようです。しかし、人間の本質に根ざした医学であるから消え去ることなく 今でも存在するのは、実に優れた特質を持ち合わせているからだと思います。東洋医学の古典である『素問』には "妊娠" についての原理が述べられています。

"女は二七(十四)にして天癸は至り(腎が出来)、任脈は通じ血海である衝脈も通じる"

「女性は十四になると生殖能力ができる。それは任脈が完全に流通し、血海である衝脈も盛大になってくるので、月経が定期的に下るようになる。そして、子を胎む能力が完備する」

妊娠(可・不可)診断

入江の血海と衝脈 下記の図は「入江の血海と衝脈の診断領域図」(入江正先生過去論文集から引用)です。

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斜線部が衝脈と入江説の血海です。この領域で、「治療効果の判定」も、「予後の観測」もできます。衝脈不調になると「絶孕(ぜつよう)」=不妊症となります。衝脈を診るときには、気を飛ばす(Skip)方法を取り、衝脈のみの異常をつかみます。どうして気を飛ばす(Skip)方法を取るかというと、「衝脈」の流れが「任脈」腹診の「心包」「心」「胃」「脾」「腎」「膀胱」(下記の図)と重なっているためです。
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6個の診断部胸骨部・みぞおち・胃部・へそ・丹田・恥骨の6ヶ所
各直径10cm 衝脈と血海が流通するところ

この6ヶ所を診ることで妊娠の診断、治療、予後の判定が可能とります。この6ヶ所の内、数箇所流れが悪ければ妊娠しにくいと考えます。悪い個所の流通を良くすることにより妊娠しやすい体へと変化します。この診断点診断法は、「不妊の診断」には非常に便利なものです。

チェックの仕方この6か所FT (フィンガーテスト)又はOT(O-リングテスト)を行います。FTでst(スティッキー) 、OTで開くところが異常部です。不妊の方、すべてに6か所の中のいずれか、数か所に異常部が確認できます。

一光堂漢方薬局・はり灸院では、治療前に6か所のチェックを行い、どの箇所が悪いかをチェックします。そして、すべてsm(スムーズ)となる漢方薬を選択し、服用していただきます。漢方薬の選択については、生理周期と密接に関係があるものが選ばれます。漢方薬選択法は、後で説明いたします。

選択した漢方薬の服用を続けますと6か所の異常部smとなり、妊娠のできる体に改善されます。
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生理周期調整 & 妊娠維持漢方薬

生理周期(月経期、卵胞期:低温期~排卵期、黄体期:高温期)によって異なるホルモンが分泌されますので、周期に応じて漢方薬を飲み分け整えていきます。飲む漢方薬は、生理周期により異なります。

●月経期
いらなくなった子宮内膜を外に排出するために月経が起こります。月経血を順調に押し出す漢方薬で、余分なものを子宮内から完全に出し切ります。

●卵胞期~排卵期
エストロゲンの分泌が高まり、子宮内膜が増殖するとともに同時に、卵巣では卵胞が成熟し、排卵されます。月経後に不足しがちな「血」や、うるおいを補い、成熟度の高い卵子と新しい内膜をつくる手助けをし、気や血をめぐらせて排卵を促す漢方薬が使います。

●黄体期
卵胞が黄体に変化し、プロゲステロンの分泌が高まり、子宮の内膜が厚くなります。子宮内膜が温かく柔らかい状態を保てるよう気や血を補い、めぐりを整えながら子宮を温める漢方薬が使われます。

各生理周期によって出てくる反応点が異なります。

例えば、
月経期 には、不妊症点 ・ 生理反応点 など
卵胞期には、卵胞ホルモン異常点・不妊症点 など
排卵期 には、黄体ホルモン異常点など
黄体期 には、黄体ホルモン異常点 妊娠点(妊娠可能な状態の時に出る)
妊娠成立時には、
甲把流腹診図の「妊娠塊」に反応が出現します。

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各生理周期、妊娠に応じて異常点・反応点が出てきますので それが消失する漢方薬を選択します。

先日、妊娠された方をシンノウさんテストでチェックをしたところ甲把流腹診の「妊娠塊」に反応が出現していました。そこでその方に合う漢方薬を選択し、チェックすると「妊娠塊」は消失したので安胎を目的に服用してもらいました。身体に合えば、各反応点は消え去ります。さらに、選択された漢方薬は、6個の診断部 : 胸骨部・みぞおち・胃部・へそ・丹田・恥骨6点、すべて消失します。

このようにして生理周期の異常な状態を正常な状態へと調節してゆきます。

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